THE GENTEMSTICK

北方の天空、そしてそこに存在するもの、太陽、月、星をさし 転じて無為自然の冥利、自然の道、を指す。

私達にとっては一本の太い木の幹の様に、存在自体に理由を求められない、 いつもそこに存在し、不変なもの。

それが「GENTEMSTICK」

THE SHAPE

ボードデザインはシェイプが全てだ。

スノーボードデザインの醍醐味は、アウトラインとボトムラインの調和に、しなりが加わる事による3次元曲線を創造する事にある。

70年代には存在するスワローテールの様に優れたクラシックなデザインに、我々だけの多くの経験とその蓄積を融合し、パウダーとパックされた斜面を全く同じ感覚で滑る事と、よりスムースで安定したライディングを可能にするシェイプを目指して来たのが私たちGENTEMSTICKである。

SNOWSURF

「波、雪。ふたつは相似する、人間と地球との純度の高い接触点である」

この25年間、私はある種の実験を重ねてきた。「サーフィンとスノーボーディングが互いに進化を助け合う」と言う事についてだ。

私のボードに興味を抱く人は、冬の真っ只中にウェットスーツとサーフボードを抱えイソイソと出かけて行く私の姿に、善くも悪くも関心を抱くようになった。仲間もはじめは騙されたつもりの真冬のサーフィンであったはずが、パワフルな北からのうねり、美しいブレイク、誰もいないラインナップという仕掛けに、知らず知らずに虜になっていった。

INSPIRATION

風によって運ばれてくる豊かに降り積もる雪。苔むした大岩に絡み付くように流れる清らかな水。

平和に満ち溢れるように静まりかえった大海原に、まるで何か意志を持っているかの様にやって来るうねり。私はそれらの様なものを常にイメージしている。
それらは恐ろしく静寂で荒々しく、誠実で愛に満ちあふれた世界でもある。
そして私は、その自然界からインスピレーションを受け、多くを学んできた。

しかし、そのチャンスは非常に注意深く感覚を研ぎ澄ましていなければ、知らぬうちに自分の横をすり抜けていく様な、些細な出来事や事象に隠れている。
私はトラックを刻むために、より注意深く行動を起こす。
そして私の造り出すスノーボードにすべてを注ぎ込む。

CRAFTMANSHIP

私のボード作りには、父の血に流れる自由さと行動力、祖父の職人気質が大きな影響を与えている。そんな家族と共にシークレットスポットを旅し、絵に描いたように美しい風景の中、常識はずれの仕掛けで、誰も手にしたことのない様な大物を、まるで音楽を奏でるように美しく釣り上げた。

私が求めるものは、最高の条件をたたえた、誰も知らないロケーションとの出会いと、そそり立つ斜面への無駄のないアプローチとその刹那。祖父はそれを広大な田園風景や山の中で実践していた。勿論手作りの道具で!道具は完成されていてはいけない。手にした本人が完成させると私は考えている。私はそのための揺るぎない基本性能を持った未完成品を創りあげる。例え時代がどんなに移り変わろうとも、私の求めるものは変わらない。それは、魂の求めるものだから。

SOUL

私は長い間スノーボード業界のプロモーションに関わってきたが、違和感をぬぐい切れず、一見煌びやかな誘惑を払いのけ、自由に満ち溢れた独り静かな山の斜面に戻って行くことに躊躇いはなかった。

企業のミーティングルームや、異様に目をぎらつかせたメディアの前では、常に危険を回避せよと過敏なまでの反応に疲れていた魂だが、そこで直面するリスクは、自分の中に宿っている正しい判断力を信じ感じるだけで良かった。上空を旋回する鳥達や流れに身をゆだねる魚達のように、実に実直にただそこに存在できるのだ。