TESTIMONIALS
TT model
一目惚れだった。ショールームに置いてあるTTモデルを初めて見た時の話である。サーファー、そしてシェイパーとしての長い年月がそうさせるのか、その板の流線型なライン、特にノーズのシェイプがスノーボードというよりはサーフボードを見ているように感じさせたのだと思う。
この板がどのような滑りをするのかは全く見当がつかなかったが、とにかく自分はこの板に乗るのだ、という強い気持ちを感じた。スノーボードはサーフィンとは別のスポーツだが、共通する要素は多分にある。多くの友人サーファーがまるでサーフィンをする時と全く同じスタイルと体の動きでスノーボードを操るのを見てきた。
初めてTTモデルに乗った日はスキー場のハードパックのグルーミングを滑った。何よりまずこのボードの速さに驚いた、これはおそらく独特なロッカーとフラットキャンバーのデザインの恩恵なのだろう。さらに驚いたのは、硬い雪でも容易にエッジが入り、それをしっかりと保っていられることだった。私は大きく開けた山の斜面で、身体を大きく倒し込みしっかりとレールを入れた大きな弧を描くイメージが好きだったので、スノーボードはハードブーツでのカービングボードから始めたのだった。
しかし、今回は普通のストラップバインディングにソフトブーツである、それでもTTに乗って滑っていると同じような錯覚に陥るのだ。姿勢を低く保ち、体重をしっかりとエッジに乗せて、ハイスピードの大きなターンで山を滑り降りてくることができた。
しかし、この板のパフォーマンスに完全に脱帽させられたのは初めてフレッシュなパウダースノーに入って行った時だった。今までに乗ったどんな板よりTTモデルはパウダーボードとして最高でもあった。ここでもどうやらスピードが全ての違いを生み出しているように感じた。板が自然にスピードに乗ることによって、完全に埋まってハマってしまうのだろうと覚悟を決めていたボトムレスなパウダーの中を、まるで何事もなかったように自然に浮かび上がり、楽々とターンを繋いで進んでいくのだ。ハイスピードで駆け抜けることで浮かび上がった雪煙が自分の視界を遮るので、ツリーランでは2つ3つ先のターンまで読んで注意深く滑る必要があったぐらいだ。
また、このボード、そしてゲンテンスティックの全てのボードに共通するのが造りの素晴らしさだ。全てのボードは永い年月の間性能を発揮し続けられるように丁寧に作られている。物の本で、500年前の日本刀が未だに作られた当時と同じような切れ味を保っていると読んだことがあるが、私のTTモデルのエッジもその血脈を受け継いでいるようで、雪だろうが氷だろうが容易に切り進んで行く。ベースに使われているソール材もハイグレードで、楽にワックスをかけられ、耐久性に優れていて、そしてどのような雪のコンディションでもとにかく良く走るのだ。芯材は見た目にも美しく、機能的にも効果を発揮しているのが見て取れる。
しかし、なによりも際立って美しいのは、このボードの素晴らしいデザインなのだ。玉井太朗がこの板の容姿と性能を導き出す為に膨大な時間と努力と専門知識を注ぎ込んだのは一目瞭然だ。私はこのボードはどのような雪のコンディションでもこなせる万能な板で、どのようなレベルのライダーでも楽しむことが出来る板だとも感じた。ゲンテンのライダーやその他の様々なスキルのライダーがこの板でパウダーやグルーミングを滑っているのを見ていると、如何にTTモデルがライダー選ばないボードだということが見て取れた。私は自分を中級のライダーだと評価しているが、TTモデルで滑るのが大好きだ。皮肉にもTTはゲンテンが初めて出したモデルだと知った時、私がその板でゲンテンとの関係をスタートさせることが最も適切であると感じた。
初めてニセコへトリップした時、ゲンテンショールームを訪れ、ロケットフィッシュに出会い、アンヌプリナイターの霞がかったコースをオーム、ケン、ワジの後について滑った時のことはきっと生涯忘れないでしょう。
25年もの間、同じようなボード、同じような地形でスノーボードをしてきた自分が、雪に対する愛を再び呼び覚ますような新しいフィーリングやライディング、そういった何らかの変化を探し求めていた時に起きた出来事でした。その後数日間、ニセコのスノーサーフカルチャーにどっぷりと浸かった最高の日々を過ごした後、アメリカに戻った自分のスノーボード観は全く新しいモノへと変わっていました。その日のコンディションに合わせたボードチョイスや、山の地形の捉え方もすっかり変わってしまいました。
これから何年たっても、いくつ旅を重ねても、私のライディングや写真に、新しいラインや視点のインスピレーションを与えてくれるゲンテンの人々の生き方や太朗のフィロソフィー、写真やボードデザインを追い続けるでしょう。
ゲンテンスティックのボードに乗れる名誉を与えられた事を光栄に思う。
彼らのスノーボードは、様々な要素が複雑に絡み合うことで、世界で最も優れたスノーボードになるのだと僕は思っている。太朗のスノーボーダーとしての経歴、彼の様々な世代のスノーボードに対する深い理解、そしてボードパフォーマンスへの細心の注意も大きく関わっているのだろう。
彼が熱心なサーファーであり、素晴らしいスノーボーダーであることも、ボードを最適な状態にチューンナップする職人や、素晴らしいライダーが揃うチームの存在も、ゲンテンスティックが最高のスノーサーフボードを作る要因だろう。ゲンテンは雪をサーフする為の完璧な乗り物だ。Winterstickから始まるスノーサーフィンの源流、その流れを引き継ぎ、ゲンテンは本質に最も忠実な形でスノーサーフィンを推し進めている。
初めてロケットフィッシュを目にした時の印象は、単純に太くて短いパウダーボード、というものでした。
太朗に「カービングも相当良いよ」と言われたときは素直に信じることは出来ませんでした。しかし実際にロケットフィッシュに初めて乗って、ヒールサイドでターンをした時に、あっさりとお尻を擦ってしまうぐらい深いターンをすることが出来た事には本当に驚きでした。ゲンテンスティックのロケットフィッシュは完全に自分のスノーボード観を変えてしまいました。さらに他のモデルにも乗る機会に恵まれ、それぞれのボードが本当にユニークで、乗り換える度に全く違う感覚を覚え、また自分の滑りをそれぞれのボードに合わせていく、という楽しみかたも発見することが出来ました。
職人の技巧より利益やイメージが優先される今の世界でも、玉井太朗はあくまで性能と品質を優先させて、物造りという本質に忠実で居続けた。
スノーボーディングの起源を忘れず、現在を見据えた姿勢が、太朗を近年の革新的デザインのさらに一歩先を歩ませているのだと思う。
自分は10年に渡りゲンテンスティックを集め、乗ってきたが、これまでに1本も手放したことはない。一人のデザイナーとして、そして一人のヨコノリストとして、太朗の物造りに対する姿勢は、彼を今のスノーボード界における最も重要な人物の一人だと感じている。
ゲンテンスティックのスノーボードはどのような地形や雪質でも精密で流れるようなライディングをさせてくれる、ガイドという立場の私にとっては無くてはならない決定的なガイドツールだ
ゲンテンスティックは自分にスノーボードを再開させてくれた
もう自分の好きなものしか作らなくていいし、作った人が好きなものしか買わないくていいんだなと思っていますし。皆に言っています。「もうお前らさ自分が大好きじゃないものをオーダーしたり人に売りつけたりしてはダメだろ」と。
不況だとかモノが売れないとか言うけどさ、、、、。恥ずかしいくて声には出さないけど作る人とか売る人とか買う人とか滑る人の「情熱」なんだんだと。
自分だけはどうしても欲しいとか、こうしたいとか、どうにか伝えたいとかさ。GENTEMSTICKのスペックを超えた正しさとか無茶苦茶さが心地よいですし、萎んだ気持ちになった時に背中押されます。人それぞれの状況です。ダメにはダメなりの胸の張り方と自分へのプッシュがあるもんです。
人生ずっとサーフィンをやり続け、スノーボードも若い頃に出会えた私にとって、山でもサーフスタイルを求めるのは自然な流れでした。ゲンテンに初めて乗った時、長年追い求めていた答えがついに見つかったように感じました。
サーフする完璧な表現方法、スノーサーフィン…私はこれからもずっとゲンテンに乗り続けるでしょう。
私はまた、バリのサーフショップ「ドリフター」のオーナーでもあります。 お店には Dick Brewer や Gerry Lopez、Reno Abbelira、Terry Fitzgerald や Dick Van Straalen など、 スペシャリスト・サーフボードやプレミアムブランドの板を並べています。そのような素晴らしいサーフボードと完璧にマッチする姿で、違いのわかるサーファー/スノーボーダーの為に、ゲンテンスティックのスノーボードをお店に並べています。
ゲンテンスティックのボードのデザインは造形的にも審美的にも素晴らしく、その滑りは他の板では感じられない独特のものだ。
ゲンテンスティックは初めからそれらを追求し、今日でもそのルーツに忠実なのだ。彼らのユニークな板に乗ることは、僕の山を滑ることへの情熱に、新しい命の息吹を吹き込んでくれた。
最初にゲンテンスティックのことを耳にしたのは、2007年に北海道へサーフトリップに出かけた時でした。
太朗の精巧なスノーサーフデザイン、さらには山で生活するサーファーのライフスタイルとの出会いはとても衝撃的でした。最近になってウィスラーやジャクソンホールでバックカントリーでのパウダーライディングを経験する機会があり、その魅力にすっかり魅了されてしまい、世界中のサーフポイントが混雑するようになった近年、夢中になれる新しい遊びを発見できたことはとても嬉しい出来事でした。雪の中で波のような地形を見つけるのが楽しくなり、静まり返った自然の中で過ごす時間がとにかく好きになっていきました。
北カリフォルニアに引っ越し、マウントバチェラー沢やウィンドリップに足繁く通うようになった頃、私はついには太朗にたどり着き、私のスノーボードと彼のデザイン、特にFISHに対する興味の高まりを伝えることができました。そして幸運にもビックフィッシュを、後にはホーネットを手に入れることができました。
手短に言えば、太朗のボードはただ単に美しいだけではなく、滑ってて本当に楽しいボードであり、僕のスノーボーディング、特にパウダーライディングをより楽しく、より高いレベルにしてくれました。
20年間最高のコンディションを追い求めてきた僕だけど、先シーズン、ゲンテンのクルーと過ごす為に日本を訪れた5日間は正直ベストとは言い難いコンディションだった。
でもね、そんなこと関係無い! 気にする人は1人もいなかった。彼等のスノーボーディングに対する情熱と、雪や天気に拘らず、ただその場にいられる喜びを見てるだけでこっちまで楽しくなってきて、すごく清々しかったね。こんな人達とスノーサーフをミックスさせれば、当たり前だけどライディングも全く違った視点で捉えることになるよね。ようするに、結局は楽しんだもん勝ちということ…。
サーフィンは僕の人生だ。嵐を追い求め、海でそのエネルギーに巡り会う。
そして常に大きな波のフェースを滑る事が出来るコンディションに恵まれることを願っている。時折、その大きなエネルギーの塊に包み込まれる魔法のような瞬間を経験し、その直後にはその存在の体内から押し出され、また同じ道を繰り返す。大海と時間を共有し、その山に乗り、流体の斜面を縦横に滑空する。
ゲンテンファミリーに出会うまでは、それが全てで、それが自分の表現の限界だっただろう。しかしパタゴニア社のおかげで玉井太朗に出会うことになり、マウンテンサーフィンという贈り物を授けられたのだ。水から雪への移行は容易だった。ボードはバランスが取れているし、滑るラインは全く同じだ。今は一つのストームを海と山、二つの側面から追うこととなり、水と雪の境界が霞み、同じものとして溶け合って行く瞬間を体験出来るようなった。サーフィンがさらに良いものになったのだ。
サーフィンというバックグラウンドから来る自分にとって、スノーボーディングのダイナミクスに体を合わせるのには多少の時間がかかっていた。
いわゆる「普通」のスノーボードから初めてスーパーフィッシュに乗り換えた時、より直感的に、楽しくそして簡単に滑ることが出来た。そして何より最高だと思ったことは、ゲンテンのシェイプは深いパウダーでもグルーミングでも、どちらでも素晴らしい滑りをを提供してくれるということだ。
ロケットフィッシュ・ハイパフォーマンス
ゲンテンスティックは私のスノーボードへの愛情を再燃させてくれました。
カリフォルニアに住んでいた私の横乗りへの渇望は、怪我や連年の雪不足のため、スノーボードよりサーフィンへと向けられていました。初めて乗ったゲンテンスティックはロケットフィッシュ。それは人生を変えるほどの出来事でした。一つ一つのターンが貴重になり、山の地形が以前とは全く別物のように見え始めたのです。元来、小さな板でサイドヒットやパウダーを滑るのが大好きだった私は、そういった地形をこの1本で滑るのが楽しくなり、さらに虜になり、何より一つ一つのターンをより楽しむようになれたことがとにかく嬉しかったのです。全てのターンが常に新しく感じ、より良いターンを体得する為の長い道程を一歩一歩進んでいるのだと感じられました。以前はそのような感覚はパウダーの中でだけ感じられるものでした。
ロケットフィッシュに違和感なく乗れるようになった頃、自分用にロケットフィッシュ・ハイパフォーマンスを手に入れることにしました。もしあなたが初めて乗るゲンテンスティックがこの板なのなら、仰天すること請け合いです。重心を低く保ち、後ろ足の膝を内側に捻り込んで(アレックス・ノストやクレイグ・アンダーソンのように)滑ることでこの板の本来のドライブ感や操作性を発揮させることが出来ます。この板はとにかくシャープでアグレッシブなターンをしたがります。よりシャープでよりアグレッシブに攻めれば攻めるほど楽しくなる板です。全ての要素が合致した時、この板のフレックス、ドライブ、そして機動性はあなたを魅了することはでしょう。
最初に乗った時はミニシモンズのサーフボードに乗っているように感じました(短いが、パウダーでの浮力があり、ルーズで機敏に動く)が、スピードを上げて、パウダーまたはグルーミングでよりハードに低い姿勢で体重を乗せたフルカービングをするようになると、まるでアグレッシブなフィッシュサーフボードに乗ってフルレールのターンをした時のようにエッジがガッチリと雪面に食い込んでターンしていくのです。僕の記憶に残る最高のスノーボードのターンはこの板に乗って塗り替えられました。一つは沢のリップでのフロントサイドターン、もう一つはバンクでのバックサイドターン、どちらも波乗り人生でのベストターンの記憶を再体験したような感覚に陥りました。私が乗ったことがある全てのゲンテンのボードには地形の見方・捉え方を完全に変えてしまうような魅力を備えています。ただ、もし貴方がよりラディカルでアグレッシブなターン(伸びのある流れるようなクルージングスタイルではなく、スナップを効かせたサーフ/スケートスタイル)を求めるのであれば、ロケットフィッシュ・ハイパフォーマンスは貴方のスノーボーディングに最も変化を与えてくれることでしょう。
9歳からサーフィン、17歳からシェイピングを始めた自分は、若い頃からサーフインスパイアされたデザインに惹かれていて、毎日のように海に入り、様々なサーフボードのシェイプを自分のデザインに取り入れるのは自然の流れだった。
とにかく海に魅了された自分は今でも可能な限り海の中で過ごして、それ恩恵で健全な身体、精神、そして心を保つ事が出来ているのだと感じている。そんなある日、スノーサーフィンというモノの存在を知る出来事があった。それからは次第に海沿いの地元から4時間離れた雪山、スノーウィーマウンテンに惹かれていく自分にも気がついていた。スノーサーフィンを始めたことにより、やりがいのある新しい挑戦に巡り会い、尊重し、習得しなければいけない様々な事柄に気が付き、刺激を与えられたり、改めて自然に対し謙虚な気持ちにさせてもらえたりもした。
スノーサーフィンを始めたばかりの頃、昔Surfing Worldという雑誌でWinterstickとそのデザイナーDimitije Milovichについての記事を読んだことを思い出し、その雑誌を探し求め、見つけた時にはとても興奮したことを覚えている。そこにはDimitrijeと相棒のWayne Stovekensとが如何に失敗と試行錯誤を繰り返した末に最終的なデザインに辿り着いたのかと言う事が書かれていたのである。その記事を書き、写真を撮っていたのがRichard Palmerという男だった。
記事を読んだあとの感覚は、若い頃に素晴らしいサーフボードデザインに出会った時に感じたものと全く同じだった。この出来事に影響されて、自分用にシェイプしていたフィッシュサーフボードのテールにサイドカーブを取り入れたりするようになっていった。さらにはスノーボードのデザインも考えるようになり、台紙にアウトラインを描き古い板をカットしてスワローテールにしてみたりして、それはそれで面白かったが、自分が求めている物とは別物でした。
2005年のある日。北海道を訪れたという友人から、ニセコで素晴らしい板を見たという話を聞きました。次にシーズン、自分もニセコを訪れ、滑っている時に驚くべき光景を目の当たりにしました。
今まで見たどのようなボードより素晴らしいサーフスタイルのアウトラインやロッカーの板に乗り、サーフスタイルでライディングする様々なライダー達。以来、もうそれ以上古い板をカットする必要は無くなりました、なぜならずっと探し求めていたスノーボードがここにあったからです。
それからというもの、毎年のように北海道に訪れゲンテンスティックのライダー達と滑り、いろいろな事を学び、幾つかの板をオーストラリアに持ち帰り、こちらの様々な雪のコンディションで滑ってきました。山の中で太朗のデザインしたボードがもたらしてくれた感動には感謝せずにはいられません、他のどのような板に乗っても同じ感動は得られないことでしょう。
ゲンテンファミリーに出会えたことは本当に幸運で光栄な出来事でした。彼らの理想、目標、そして情熱は、スノーサーフィンの原形を純粋に受け継いでいるです。
ありがとう、ゲンテンスティック
22年雪の上を滑り続け、様々なスノーボードのシェイプに乗ってきた私ですが、初めてゲンテンスティックに乗った日は忘れられない日として記憶されています。
雪の上をまるで滑空しているように、楽々と白樺の間を縫っていく感覚を未だに覚えています。スノーボードを再発見したような素晴らしい多幸感に包まれました。ゲンテンのボードは、雪と山との関係に新しい光を照らしてくれました。リフト待ちやバックカントリーで新しい友人と出会わせてくれました。さらには、恋に落ち、夢が叶えられました。ゲンテンスティックはあなたにもそれらを導いてくれるということを私は確信しています。
僕とGentemとのつながりはまさにDAY1から始まっている。
最初のプロトタイプ柿色のTTに乗った瞬間から既存のいわゆる『スノーボード』と完全にかけ離れたビジョンで山を見、雪を感じ、自然との対話と調和が始まったのを感じた。ターンの精度や地形に沿った滑らかなマニューバーのイメージ。
東京で生まれ、スケートボードをしながら育った僕には衝撃であり、知ることによって人生が豊かになる気分を味わったのがそのときの感触であり、人生かけてもマスターできないような果てしなく、そして現在進行形で始まったサイエンスに興味を持った感じだった。自分がやりたい様にやる自由ではなく、自然界の道理に耳を傾け、感覚を研ぎすまし、そこの調和することで感じられる至福(NIRVANA)。
こうして僕は便利を極める都会生活と派手さ勝負のスケート人生とは180度相反した世界を知ることになった。97年の冬にニセコに始めてきてから現在まで20年の冬をニセコで滑り続けるが、今でも滑りにいくごとに新しい滑り、発見がある。Gentemのボードは常に期待や概念を覆す起爆力をはらんでいるのが、ファンであり続け、他への興味を持てない理由である。
普通、感激や感動は目からインプットし、脳にて思考分析されて、ハートに届いてその感覚が劇的な動きをもたらし、至福に変わるが、太朗さんの作るボードは足の裏から心に直結しているような、脳で解析できないような特殊な感触が魂を虜にしてしまう。
それに加え、太朗さんの作るボードはその乗り心地とラインイメージが確実であり、ボードのシェープや見た目は2の次でありながらもちろん的確。天からの奇跡(ギフト)なるゴージャスな雪質に地形、これをいかにボードデザイン1つで、自然とそれに乗る者の魂との交流を密度の高いものに仕立て上げるかが太朗さんの人生のチャレンジなんだと思う。僕にとっては人生がひっくり返るきっかけとなったことでも、サーフィンをしながら育った太朗さんにとって当たり前のことだったのだろう。泳ぐこともできず、海に入ることも恐れて育った僕には、彼らから習うことが無限にあると思っていた。
泳ぐことを2012年に習い、2015年にサーフィンを習い始めた僕にとってサーフィンは人生の答えと今は考えている。雪山を登り滑るという行為よりさらに一歩自然を理解しないとできないアクティビティ。水と風が生む波、自然の鼓動に調和する至福、これを知ることによってさらにGentemの本質への理解が始まったところだ。
この哲学は唯一無二で間違いなく日本人の心なくして存在しなかったものであろうと僕は思う。これを世界の仲間に伝え、彼ら彼女たちの人生を豊かなものにする手伝いが僕の人生のミッションだと思っている。
「量より質」という概念が浸透していきつつある成熟過程のカルチャーの中で、ゲンテンスティックのスノーボードは、他のどのようなデザイン様式や方向性に比べても、一際滑り手達の興味をそそるのである。
物作りとしてのクオリティの高さ、日本らしいディテールへの意識と繊細さ、そして太朗の持つ大きな意味での雪山の中でのスノーボードのあり方への理解、それら全てが「ゲンテン」を構成し、自らがエッジを立て、滑ることができる限り、そのボードは自分の側にあり続けることだろう。「ゲンテン」は世界に一つだけ、唯一無二の存在である。
ゲンテンスティックについて語るほどスノーサーフィンの知識もスキルもない僕に、公式サイトに掲載されるテスティモニアルなど書く資格があるのだろうか。
逃げ出したくもなるような気持ちを後押ししてくれたのは、太朗さんと一緒に過ごした雪山での幸せな時間やカフェやオフィスでの濃密な会話の記憶だった。2003年にフラットキャンバーの楽しみを知って十数年。勤め人としてはまあまあの情熱を傾けてきた僕をいつも暖かく見守ってくれた(と勝手に思っている)太朗さんが、雪上の技術や名の知れ方だけで付き合う人を選別するような姿は一度も目にしたことがない。
それぞれの山々が持つ生態系や植生。地域に特有の気候や変化する雪質。沢の大きさや掘れ方を加味した三次元思考。森林限界上の広い斜面を堪能するために最適なアウトライン。基部近くの濃い樹林帯を抜けるための安全性能。板のデザインについて素人の僕にも丁寧に説明してくれる時、静かな語り口の裏側にある奥行きと広がりにいつも魅了された。スノーサーフィンの本質だけを追及して、コマーシャリズムの世界で地位や名声を得ることには関心のかけらも示さない。ゲンテンスティックのフィロソフィーそのままに、「考えていること、発言すること、行動すること」がぶれることなく一致している。そういう太朗さんに出会えたことに改めて感謝しながら、ゲンテンスティックのこれからを心から楽しみにしています。
maxforce 64 に初めて乗ったのは1998年ゲンテンスティックがスタートしたシーズンだったと思う。背中にそこそこの荷物を担いでいることが多い自分がこの板に乗るのは自然な選択だった。クルマに例えればワンボックスやバンの営業車それでもって四駆といった感じだろうか…
日本人の足の大きさにフィットしたウェスト248mmのエッジを踏んでいる感とノーズ、テールともに余裕があるのでバランスを崩したときのリカバリー性はもちろん、板を外さないで撮影位置を変えたいときに後ろ方向に動ける機動性も重要だ。
アラスカをはじめとした絶対に転んではいけない斜面を何度も共にした頼れる相棒だ。